2009年1月8日木曜日

外国語学習の科学—第二言語習得論とは何か (岩波新書) (新書) 白井 恭弘 (著)



内容(「BOOK」データベースより)
英語、韓国語、中国語など外国語を学ぶ人は多く、また日本語教育に携わる人も増えている。だが各種のメソッドや「コツ」は、果たして有効なのだろうか。言語学、心理学、認知科学などの成果を使って「外国語を身につける」という現象を解明し、ひいては効率的な外国語学習の方法を導き出す、「第二言語習得 (SLA)」研究の現在を紹介する。

出版社からのコメント
どうすれば外国語が「身につく」のだろうか?

 外国語を使えるようになりたい、「ネイティブ並み」とはいわなくても、口頭であれ、文章であれ、引け目と緊張を感じずに外国人とのコミュニケーションができるとよい......と思う人の多さは、数々の学習書や(とりわけ英語の)語学学校、学校での早期教育をめぐる論議からも明らかでしょう。そして、なかなかうまく行かないことにがっかりする人も、かなり多いはずですね。

 そうした学習のための各種のメソッドや「コツ」は、果たしてどれだけの科学性を持っているのでしょうか。「日本人は外国語が苦手」「やはり子供のうちからでないと」「どうしても必要なら何とかなるんじゃないか」といったことも、何となくそんな気がする、という印象の域を出ていません。

 本書が紹介する「第二言語習得(Second Language Acquisition = SLA)」論は、比較的新しく、1960年代に始まった研究分野です。言語学、心理学、認知科学などの成果と連携しながら、「外国語を身につける」という現象を科学的に解明し、ひいては効率的な外国語学習の方法を導き出すことを課題とする、実践的な要請の強い学問分野だといえるでしょう。日本では特に英語教育・日本語教育の実践者、研究者に注目されています。

 著者はこの分野について、もっとも先進的な位置にある研究者の一人ですが、読みやすく、どこかユーモアさえ感じられる語り口で、第二言語習得理論の成果を一般向けに紹介し、それを生かした実践面のヒントまでを提供しています。あわせて、外国語教育・日本語教育に志す人たちにとっても信頼できる入門書となるように工夫をこらしました。

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